最低賃金の引き上げ凍結に
反対します。
東京の最低賃金を決める東京地方最低賃金審議会は8月5日、例年10月に改定している東京都の最低賃金について、「現行(1,013円)どおりとする」との報告を採決により決定し、東京労働局長に答申しました。これまでの最低賃金を年に3%引き上げるという目標から一転し、凍結するという結論となりました。
今回の審議会答申は、最低賃金の引き上げを求めた労働者委員の主張を蔑ろにし、引き上げ凍結を求めた使用者委員の主張を全面的に受け入れたものです。コロナを口実にした最低賃金の抑え込みは許されるものではなく、またコロナ禍で低賃金のもと働き、休むことも許されないエッセンシャルワーカー(医療従事者、介護従事者、保育士、スーパーやコンビニ店員、運送業、非正規公務員など)をさらに苦しめます。さらには低賃金構造の温床となり、将来にわたり貧困の連鎖が続く大きな要因となります。
イギリスは、今年4月から最賃(NLW)を6.2%引き上げました。アメリカでもカリフォルニアなどコロナ禍でも引き上げた州があります。海外では中長期的な視野で上げた方が経済的に良いという考えから引き上げている一方、日本はその逆をいっています。それどころか政府税制調査会では、「消費増税を中核に据え」るべきとの意見が出されるなど、国民生活と経済を破壊するものばかりです。
最低賃金の引き上げ凍結は、まだ決まったわけではありません。私たちは今回の審議やり直しを求める異議を申し立てることができます。最低賃金引き上げ凍結を撤回させ、これ以上の低賃金を許さない社会的意思表示が必要です。
【異議申し立てについて】
エキタスは、全国的な最低賃金引き上げを抑え込む答申に反対するとともに、首都・東京で引き上げを凍結させた審議会の答申に対して、異議を申し立てます。提出した異議書は審議員の前で読み上げられた後、答申どおりとするか是非を問い、反対が多数であれば審議はやり直しとなります。異議書は、東京都内で働く人であれば、個人・団体問わずだれでも提出することができます。
最低賃金引き上げを凍結させた今回の答申を白紙に戻し、審議のやり直しを求める異議申し立ての運動へご協力をお願いします。下記URL内の専用フォームで、異議の内容及び理由を記載していただければ、私たちエキタスが、皆さんの声を東京労働局に届けます。ぜひ、審議やり直しを求めるあなたの声をお寄せください。(期限8月18日)。
※東京で働く人であれば、個人・団体問わずだれでも異議申し立てができます。